【税理士監修】クリニック・医院開業すぐに小規模企業共済で節税
節税の基本 小規模企業共済
これから個人クリニックを開業される、個人クリニックを経営されている医師の先生には必須の節税として小規模企業共済への加入があります。公的な制度になります。
制度趣旨として、個人事業主は退職金を受け取れないケースが多いため、老後のために、自分自身で掛金を拠出し、退職金を積み立ていくものになります。具体的には、毎月一定額の掛金を拠出し、閉院されるときに、共済金を退職金として受け取ることになります。
掛金は所得控除となり、共済金は退職所得扱いとして、税制優遇されます。
著者:フェイス税理士事務所 代表税理士 高田祐一郎
節税効果はどれくらいあるのか?
小規模企業共済は、掛金を月額1,000円~月額7万円までを自由に選択できます。医師の先生の場合、事業の利益が大きくなることが想定されるため、満額の月額7万円(年額84万円)で加入される方が多くなっています。
例えば、40歳で個人クリニックを開業し、65歳までの25年間、個人クリニックの経営を継続されるケースです。掛金月額7万円(年額84万円)で試算します。
25年間累計で、節税効果は2,254万円にもなります。掛金の拠出先は、独立行政法人独立行政法人中小企業基盤整備機構になります。ほぼ国に近い法人になるため、掛金の回収不能リスクもありません。
加入するタイミング
クリニックの場合、加入資格として正社員の数が5人以下があります。5人のカウントから家族従業員である専従者やパート従業員は除かれます。正社員が6人以上在籍するクリニックも多くなっています。
正社員の数5人以下という要件は、あくまでも共済加入時の人数要件であって、その後正社員が増加して要件に該当しなくなったとしても、小規模企業共済は継続できます。
そのため、弊所では正社員の少ないクリニックの開業時に加入することをお勧めしています。
医療法人の設立後も加入できるか?
集患が順調な場合、医療法人を設立することで節税することが多くなっています。医療法人の役員となると小規模企業共済の加入要件を満たさなくなり、脱退しなければなりません。
しかし、この脱退時に受け取れる共済金は、退職金扱いとなり、税制上優遇されています。医療法人の設立を想定される場合でも小規模企業共済への加入メリットは十分にあります。