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開業前にやってみよう!歯科医院の診療圏調査ツール

診療圏調査とは

1日何人の外来患者を集めることができるか、集めなければならないかは、開業にあたっての最大のテーマです。「診療圏調査」とは、そのエリアで開業した場合に、1日あたりどの程度の外来患者が見込めるか、その候補地のポテンシャルを把握するためのものです。

しかし、診療圏調査は専門家に頼らないと難しい・・・と思われているかもしれませんが、日本医師会のツールを活用すれば、歯科医師の先生方でも、30分で簡単に診療圏調査を行うことができます

日本医師会のシステム「JMAP(地域医療情報システム)」を活用します。簡単かつ無料で、信頼性のある診療圏調査を行うことができます。具体的にツールの使用方法を解説しますので、JMAPのシステムを操作しながら、ご覧ください。

著者:フェイス税理士事務所 代表税理士 高田祐一郎

JMAP(地域医療情報システム)

順を追って説明していきましょう。この記事の通りにやってみてください。まず、「JMAP(地域医療情報システム)」へアクセスし、候補地が所在するエリアを選択します。

「大阪府」→「大阪市医療圏」→「大阪市西区」と選択し、今回は大阪市西区を表示させてみました。

年齢階層別の将来推計人口を確認して、例えば、小児歯科をターゲットとされるなら年少人口の推移、高齢者をターゲットとされるなら高齢者人口の推移を確認していきます。

大阪市西区は、大阪府の中心部です。都心ということもあって、「将来推計人口において、64歳までの現役世代はそこまで大きく減少することはないようです。65歳以上の高齢者は徐々に増加傾向にあることが分かります。

また、「医療介護需要予測指数」において、医療・介護ともに、全国平均を大きく上回っていて、将来的な医療・介護の潜在ニーズが強い地域であることが分かります。

そのエリアは開業候補地になるのか?

さて、ここからが診療圏調査の本丸です!

大阪市西区にある診療科目別の施設数が表示されます。大阪市西区には、歯科診療所が105施設あります。人口10万人あたりの施設数を見ると、大阪市西区は10万人に対して99施設、全国平均は10万人に対して53施設となります。

全国平均に比べると、大阪市西区の施設数は人口に対して多すぎるということになります。一般的には歯科医院が過剰であり、新規に歯科医院を開設しても経営が難しいという判断になると思います。

しかし、大阪市西区は、先述の「医療介護需要予測指数」が全国平均を大きく上回っていたことから、施設数が過剰というよりは医療ニーズの多いエリアなのでしょう。

近隣の競合するクリニックを確認する

大阪市西区には歯科診療所が105施設ありますが、「歯科」をクリックすると、具体的な施設名称や所在地が表示されます。

グーグルマップ上に競合クリニックを表示

さらに面白いのが、「このリストの施設を地図上に表示」ボタンをクリックすると、グーグルマップ上に105施設の所在地が、ピンで表示されます。ピンで表示された歯科医院をクリックすると、その歯科医院の詳細が表示されます。

競合クリニックがどのエリアに集まっているのかが分かります。さらに、googleのストリートビューを使えば、競合クリニックの施設が古い建物なのか、新しい建物なのかのチェックもできます。ネットでその医院を検索すれば、どのようなドクターが経営されているのか、クチコミも調べることができます。

このように、日本医師会のシステム「JMAP(地域医療情報システム)」を使えば、誰でも簡単に、開業候補地を探すための診療圏調査をすることができます。これから開業される先生、すでに開業されている先生にも役立つ情報があると思いますので、この記事を参考に見て頂ければ幸いです。

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