医院・クリニックの予防接種と消費税
予防接種と消費税
クリニックや病院では、市からの委託を受けてクリニックで行う予防接種収入、窓口での予防接種収入等、様々な予防接種の収入が発生します。
特に小児科では多くの予防接種を行うことから、クリニック規模でも消費税の課税売上高が高くなり、消費税の課税事業者になる場合があります。
通常の課税売上高のみなら1,000万円を割るケースでも、ドクターは車好きな方が多いので、ベンツを下取りに出して買い替えるようなケースでは、下取り収入により、一時的に課税売上高が1,000万円を超えるケースが考えられます。
市からの委託による予防接種
大阪市ホームページ「大阪市委託医療機関向け予防接種情報」において、大阪市が医療機関の各種予防接種を委託した場合の「契約条項」において、接種料(ワクチン代相当の消費税は接種料相当に含む)との記載があります。これにより、市からの委託による予防接種は、課税売上に該当することが分かります。
また、国税庁「新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応と申告や納税などの税務上の取扱いに関するFAQ」の中で、「医療機関が受領するワクチンの接種事業に係る委託料の消費税の取扱い」においても、「医療機関が市町村に対して、ワクチンの接種事業を行うという役務の提供の対価であり、消費税の課税対象となります。 」との回答があります。
窓口での予防接種
予防接種の大部分は、課税売上に該当します。しかし、保険給付の対象となる予防接種については、消費税が非課税となることがあります。
- 麻しんまたは百日せき予防
- 破傷風血清
- B型肝炎母子感染防止
- 手術時の感染予防
- 輸血後の血清肝炎予防
予防接種収入が、非課税規定(消費税法の別表第一六のイ~ハ)に該当するのかどうか、院長先生とのヒアリングを通じて、適切に消費税区分を設定する必要があります。