【税理士監修】医療法人のクリニックで化粧品の販売
個人開業医と医療法人の違い
個人クリニックの院長先生は、個人事業主なので、クリニック以外の収益業務について制限はなく、自由に行えます。しかし、医療法人は収益業務を行うことができないことになっています。
収益業務とは株式会社が行うような不動産業や飲食サービス業等です。こういった収益業務を行いたい場合は、医療法人ではなく、MS法人などを検討する必要があります。
ただし、社会医療法人であれば、定款を変更して、都道府県の認可を受ければ、収益業務を行うことができます。
著者:フェイス税理士事務所 代表税理士 高田祐一郎
コンタクトレンズやサプリの販売についての厚生労働省の通知
それでは医療法人のクリニックで化粧品の販売ができるのでしょうか。これについては厚生労働省の通知「医療機関におけるコンタクトレンズ等の医療機器やサプリメント等の食品の販売について」が参考になります。
従来、診療所などの医療施設内においてコンタクトレンズの販売を行うことについて、都道府県ごとに見解が分かれていました。
しかし、医療機関におけるコンタクトレンズ等の医療機器、サプリメント等の食品の販売については、これが可能であることが明確化がされました。医療機関においてコンタクトレンズ等の医療機器やサプリメント等の食品の販売を行うことは、当該販売が、患者のために、療養の向上を目的として行われるものである限り、問題なく販売できることになります。
医療法人で化粧品を販売できるか
それでは本題の医療法人で化粧品が販売できるのでしょうか。これはコンタクトレンズやサプリと同様に判断します。
- 不特定多数ではなく、クリニックの患者に限定して販売しているか?
- 療養の向上を目的として、治療の一環として販売しているか?
この2つの要件を満たせば、医療法人で化粧品の販売ができることになります。つまり、患者さんのために治療の一環として行う化粧品販売であれば可能ということです。