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医院・クリニックのための専従者給与の設定方法

クリニックに何日勤務する必要があるか?

医院開業時から使える節税策として「専従者給与」があります。簡単に言えば、同居している奥様に給与を支給すれば、経費になるというものです。配偶者控除であれば、たった38万円が上限ですが、専従者給与には上限がないため、配偶者控除よりも大きく有利です。

通常は、同居されている奥様にお金を渡しても経費にはなりませんが、税法で定める要件と手続きを踏んだ上で、給与として支給した場合には、それが奥様に対してであっても経費処理できる制度です。「専従者」という言葉どおり、基本的にクリニック以外に仕事をしておらず、クリニックに週4、5日程度勤務される奥様を想定とした規定になります。

著者:フェイス税理士事務所 代表税理士 高田祐一郎(プロフィールはこちら

青色事業専従者給与に関する届出書のポイント

奥様に給与を支給される場合、「月額給与の金額」を、税務署へ届け出ることになります。ここでは本来支給したい金額を届け出ます。月額50万円とされたい場合は、月額50万円と届け出ることになります。

開業当初は、厳しい時期も予想されるため、月額50万と届けて、実際の支給額が20万円でも問題はありません。この届出書は、給与の上限設定、つまり枠取りのための届出になります。

どの程度までなら専従者給与を支給できるか?

個人の所得税は、超過累進税率(15%~55%)を採用しています。ドクターの個人事業であるクリニックの利益が大きければ大きい程、税率が高くなる仕組みです。そのため、「クリニックの利益」と「奥様の専従者給与」を同水準に調整すれば、夫婦トータルでみたときの税負担が最も少なくなることになります。

開業数年間は、クリニックの利益が少なく、同水準にすることが可能な場合もありますが、集患が順調に進み、クリニックの利益が高くなれば、同水準にすることは難しくなります。

どの程度までなら専従者給与が支給できますか?

奥様の給与については、看護師、医師、事務長、受付・事務等の職種、業務内容、勤務日数や勤務時間を考慮して考えることになります。クリニックに給与規定があれば、それに準じて支給することになります。

弊所の統計データでは、年間600万円(月額50万円)あたりが専従者給与の平均値となっています。

税務署の調査手法

税務調査では、奥様の勤務実態と給与額がバランスが取れているかを確認されます。税務調査に臨む際には、バランスを取れていることの説明の準備が必要です。

税務署は「類似同業者給与比準方式」により適正性の判断を行います。これは業種・業態の同一性、事業所の近隣性、事業規模の近似性などの抽出基準により類似同業者を抽出し、類似同業者が配偶者等に支給した給与額の平均額を算出して本件専従者給与と比較するものです。簡単に言えば、近隣のクリニックの平均額を適正額として比較する方法になります。

東京高等裁判所(2023年8月3日)で、看護師長兼事務長の奥様に、年額1,800万円の専従者給与を支払った裁判例があります。結果的に、税務署側が類似同業者給与比準方式により算定した適正給与年間800万円を適正額として、それを超える部分は否認されています。

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