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【税理士監修】医療・クリニックでの定額減税の有利選択

定額減税とは?

定額減税とは、2024年6月から実施されるひとりあたり所得税3万、住民税1万円の計4万円の減税になります。例えば、父、母、長女、長男の家庭では、合計4万円×4人=16万円の減税となります。

給与所得者の場合は、2024年6月分以降の給与・賞与計算で減税がスタートします。個人開業医の方の場合は、2024年7月の予定納税で減税が行われます。

著者:フェイス税理士事務所 代表税理士 高田祐一郎

定額減税の所得制限

定額減税には所得制限があります。2024年における合計所得金額1,805万円以下が人が対象となり、1,805万円超の方は対象外となります。1805万円超の方は、本人だけでなく、扶養親族分の減税も受けることができません。

共働きでの定額減税の有利選択(個人開業医の方)

父(個人開業医)、母(青色事業専従者)、長女、長男のケース

個人開業医の場合は、クリニックの事業所得が1,805万円以下の人が対象です。クリニックの事業以外にも、給与所得、譲渡所得、雑所得等があれば、それを加算した金額で、1,805万円の判定をします。

父の合計所得が1,805万円を超える場合、長女、長男を扶養としていると、3人とも定額減税を受けることができません。そのため、合計所得金額1,805万円以下の母に、長女、長男の扶養を付け替えることにより、母において、母、長女、長男の3名分の定額減税を受けることができます

ただし、上記は、長女、長男が16歳未満である場合に使える対策で、16歳以上の場合は父から扶養控除が外れてしまいます。よって、父で、長女、長男の扶養控除を取り、定額減税を受けないことが有利になります。母が本人分のみの定額減税を受けることになります。

共働きでの定額減税の有利選択(医療法人の方)

父(理事長)、母(理事)、長女、長男のケース

医療法人の役員の場合は給与所得1,805万円以下が対象となります。年収換算すると、原則として年収2,000円以下が対象となります。

クリニックの役員報酬以外にも、給与所得、譲渡所得、雑所得等があればそれを加算した金額で、1,805万円の判定をします。

父の年収が2,000万円を超える場合、長女、長男を扶養としていると、3人とも定額減税を受けることができません。そのため、合計所得金額1,805万円以下の母に、長女、長男の扶養を付け替えることにより、母において、母、長女、長男の3名分の定額減税を受けることができます

ただし、上記は、長女、長男が16歳未満である場合に使える対策で、16歳以上の場合は父から扶養控除が外れてしまいます。よって、父で、長女、長男の扶養控除を取り、定額減税を受けないことが有利になります。母が本人分のみの定額減税を受けることになります。

自院で給与計算をされている場合

クリニックの従業員は、女性のスタッフがほとんどになります。

まず、定額減税は、自院にメインで勤務されている甲欄の従業員が対象になります。他院と兼務されている乙欄の従業員様は対象外になります。

夫の扶養に入られているスタッフも多いと思います。その場合の取扱いは下記になります。

年収103万円以下のスタッフ:夫の勤務先で、配偶者として定額減税を受ける

年収103万円超のスタッフ :自院で定額減税の計算をしてあげる

自院で給与計算をしている場合、まず次の対応をするようにしましょう。

  1. 給与ソフトの定額減税対応のアップデートを確認します
  2. 定額減税の対象者は誰かを確認します
  3. 扶養親族は何名で、何人分の定額減税を行う必要があるかを確認します

なお、住宅ローン控除等があり、定額減税の恩恵を受けきることができない場合、市町村から定額減税相当の調整給付金の支給が行われることになっています。

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