【税理士監修】銀行はなぜ超低金利でクリニック開業融資を行うのか?
銀行はなぜ超低金利でクリニック開業資金の融資を行うのか?
今回は、医師・歯科医師のクリニック開業で、銀行が超低金利で融資を出す背景について、医療専門税理士が3つの理由を解説します。
医師・歯科医師の先生がクリニックを開業される場合は、物価高騰により融資額が1億以上になることが多いですが、銀行はクリニック開業融資として、超低金利で融資を行っています。最下限は0.9%程度の水準です(2025年11月時点)。
銀行としては1億円を融資しても、初年度で1億円×0.9%=たった90万円の収益にしかなりません。これではパートさんの人件費も賄えない金額です。残高の減少と共に、この少ない金利収益も減少していきます。
さらに、クリニック開業融資は、無担保・無保証人が一般的です。1億円もの融資が1件でも貸し倒れることがあれば甚大な損失となります。
理由①企業等への高金利な融資のために預金を獲得したい
銀行は必ず融資条件として「社保と国保の診療報酬を当行の預金口座に入るように設定してください」としています。銀行としては、社保と国保の診療報酬の入金口座として設定してもらうことで、預金がどんどんストックされています。このストックされた預金を、他の企業等へ融資できます。
また、融資にあたっての協力として「先生個人の預金を一部当行の預金口座へ移してもらえないですか?」と依頼されることもあります。これも同様に、銀行内に預金をストックするためです。あくまで資金移動だけで、預金を担保設定されるわけでもないので、より良い融資条件とするためにはこの程度の協力はしてあげた方が良いと考えます。
2025年以降日銀が利上げをしており、今後も金利が上昇する可能性が高くなっています。そのため、銀行としては今後高金利で、本業の融資をできると見ており、預金を獲得したいのです。
預金を獲得するためには、医師・歯科医師の先生は富裕層の家系が多く、貴重なお客様になります。クリニック開業融資を受ける際に、家系図の提出を求められることが多いですが、「配偶者が医師」、「ご自身の両親が医師」「配偶者の両親が医師」といった医師家系の場合には、銀行が積極的にクリニック開業融資を実行したいお客様になります。
理由②将来の手数料収入が見込めるという理由
銀行としては、クリニック開業融資を行って、医師の先生とお付き合いを開始することで、将来的に様々な取引が発生し、安定収益を獲得できます。
- 経費精算で銀行のクレジットカードを提供
- クリニックの窓口に銀行のクレジット決済端末を設置
- 追加の設備購入時にリース契約を獲得
- 投資信託を販売できる機会を獲得
- イデコやニーサの口座を獲得
ドクターの財産のメインバンクになることを目指しています。
理由③クリニック開業融資はデフォルト実績がない
クリニック開業融資はデフォルト実績が無いようです。
歯科はデフォルト事例が稀にあるようなので、医科の方が優遇される傾向にあります。
つまり、クリニック開業融資は、基本的に貸し倒れる可能性が極めて低い(貸し倒れない)債権となるため、住宅ローンに近い水準の超低金利・無担保・無保証人での融資が可能となっています。
そのため、クリニック開業融資に力を入れている銀行程、デフォルト実績の無さから、超低金利で融資を行う傾向にあります。
フェイス税理士事務所の資金調達サポート
フェイス税理士事務所では、銀行からの資金調達にあたって、下記のサポートを行っております。融資手数料を請求されるコンサルタントも多いですが、フェイス税理士事務所では開業前の先生にご負担のないよう無料でサポートをしています。事業資金の調達は初めての経験になると思いますので、ストレスがかからないよう医療専門の税理士のサポートは必須です。
- 銀行の紹介
- 銀行との条件交渉の代理
- 銀行との打ち合わせ時の同席
資金調達、資金計画の作成、事業計画の作成も含めて、開業の準備段階から開業後の資金繰りまで伴走型でサポートを行っております。
誠実にレスポンス良くサポートさせて頂きますので、クリニック開業の決意をされたら、ぜひお問い合わせください。開業に向けて一緒に頑張りましょう!
